インプラント治療は現在、持病を持っている人にも対応しながらの治療が可能となりましたが、インプラントを行うには難しい、または気をつけなくてはならない病気があります。
一般的に高血圧140�oHg、最低血圧90�oHg未満が正常な血圧とされています。最高血圧が160mmHg以上、最小血圧が95mmHg以上の血圧の場合、高血圧となり、そのままの状態を放置しておくと、動脈硬化による心不全・心筋梗塞などの心疾患や脳梗塞・腎疾患など広範囲の病気を引き起こす原因となります。インプラント手術を受けることは患者にとって、緊張感やストレスを与えることになり、血圧が上昇する場合があります。特に高血圧の患者にとっては血圧の急上昇によって手術中に気分が悪くなる方もいます。このような場合、患者の緊張感やストレスを和らげる「静脈内沈静法」などを用いることにより、安全にインプラント治療を行うことができます。
妊娠中にインプラント治療をすることは可能ですが、妊娠初期には精神的にも不安定になる時期のため、流産の可能性もあります。妊娠安定期であれば、インプラント手術は可能ですが、上顎洞底挙上術・骨再生法・ボーングラフトなどを伴う高度な手術は避けた方がよいようです。妊娠後期は、ちょっとした刺激等で子宮収縮が起きる可能性があり、手術の緊張や不安から貧血を起こすこともありますので、この時期も避けた方がよいでしょう。インプラント手術の前検査としてレントゲン・CT検査等が行われます。これらは医療用に比べると放射線量は格段に少ないのですが、胎児に100パーセント影響を及ぼさないとは限りません。また麻酔薬もレントゲン・CT検査同様ですので、救急でない場合以外は、出産後に治療を行うことが望ましいようです。
喫煙とインプラント治療失敗との直接の関連性についてははっきりとしませんが、歯にたばこのヤニが付着すると歯周病菌が増殖しやすくなり、歯周病がより進行するといった、タバコと歯周病の関連性は深いと考えられています。インプラント治療において、喫煙者と非喫煙者の成功率を比べると2倍以上にもなるという研究発表もあります。これは喫煙によるニコチンが血管に入ることによる血管収縮・血流阻害・白血球の機能障害が、インプラント治療に悪影響を与えると考えられているからです。特に上顎洞底挙上術・骨再生法・ボーングラフトなど骨を再生する治療においては、血流の悪さから骨の再生が促進されにくいようです。また、傷の治癒率も低くなり、術後の痛みが続く、細菌に感染しやすいなど、リスクが非常に高まります。インプラント治療を受けたい場合は、インプラント手術前から術後一定期間は禁煙を考える必要があります。